イヤイヤ期の「自分でやりたい」はどう対応する?声かけと見守り方
「自分でやる!」と言うのに、うまくできなくて泣く。
手伝おうとすると怒る。
でも、待っている時間も余裕もない。
イヤイヤ期の「自分でやりたい」は、親にとってかなり大変な場面です。
ただ、この時期の「自分でやりたい」は、わがままだけではありません。
自分で決めたい気持ちや、できることを試したい気持ちが育っているサインでもあります。
この記事では、イヤイヤ期に「自分でやりたい」と強く主張する理由、よくある場面、親が疲れすぎない声かけと見守り方をまとめます。
イヤイヤ期の「自分でやりたい」は成長のサイン

イヤイヤ期の子どもは、まだ何でも自分でできるわけではありません。
それでも、
- 自分で服を着たい
- 自分で靴を履きたい
- 自分で手を洗いたい
- 自分で荷物を持ちたい
- 自分でトイレに行きたい
と強く主張することがあります。
親から見ると「まだ難しい」「時間がかかる」と感じますが、子どもにとっては、自分で試したい大切な経験です。
もちろん、全部を子どもの希望通りにする必要はありません。
大切なのは、子どもの「やりたい」を受け止めつつ、親が守るラインを決めることです。
「全部やらせる」でも「全部止める」でもなく、できる部分だけ任せると、親子の負担を減らしながら進めやすくなります。
「自分でやりたい」が強くなる理由

イヤイヤ期に「自分でやりたい」が増えるのは、子どもの中でいくつかの変化が起きているからです。
自分で決めたい気持ちが育っている
1歳後半から3歳ごろになると、子どもは少しずつ「自分で選びたい」「自分で決めたい」という気持ちを持つようになります。
そのため、親が先に決めると、
「いや」
「こっちがいい」
「自分でやる」
と反発することがあります。
これは、親を困らせたいからではありません。
自分の意思を出せるようになってきた姿です。
ただし、まだ気持ちの切り替えは苦手です。
自分の思い通りにならないと、感情をコントロールできずに泣いたり怒ったりしてしまうこともあります。
できることが増えて試したくなる
スプーンを持つ、靴を履く、服を脱ぐ、手を洗うなど、日常の中でできることが増えると、子どもは何度も試したくなります。
親から見ると「まだ時間がかかる」と感じることでも、子どもにとっては大きな挑戦です。
うまくできたときの達成感があるからこそ、次も自分でやりたくなります。
うまくできずに怒ることもある
「自分でやりたい」と言っても、手先の動きや体の使い方はまだ発達途中です。
そのため、
- 服の袖が通らない
- 靴が左右逆になる
- ボタンが留められない
- 手洗いで水を出しすぎる
- トイレでうまく座れない
など、思った通りにできずに怒ることがあります。
このときに「だから無理だって」と言うと、子どもはさらに反発しやすくなります。
まずは「やりたかったね」と気持ちを言葉にしてから、必要な部分だけ手伝うと落ち着きやすくなります。
親が困りやすい「自分でやりたい」場面

イヤイヤ期の「自分でやりたい」は、特に忙しい時間帯に起こりやすいです。
着替えを自分でやりたい
朝の着替えで「自分で着る」と言うのに、なかなか進まないことがあります。
服を選ぶだけで時間がかかったり、袖が通らずに怒ったり、親が手伝うと「自分で!」とやり直したがることもあります。
この場合は、全部を任せるより、
- 服を2つから選ばせる
- ズボンだけ自分で履かせる
- 最後の引き上げだけ手伝う
- 前後がわかりやすい服にする
など、一部だけ任せると進めやすくなります。
靴を自分で履きたい
出発前に靴を自分で履きたがる場面も多いです。
靴は左右がわかりにくく、面ファスナーやかかとでつまずきやすいため、時間がかかります。
時間がないときは、
「片方は自分でやる?」
「最後のペタッだけお願い」
「ここまでママ・パパが手伝うね」
のように、子どもが担当する部分を決めると進めやすいです。
カバンや荷物を持ちたい
登園や外出時に、カバンや荷物を自分で持ちたがることもあります。
ただ、荷物が重い、途中で置く、道路で危ないなど、親が困る場面も出てきます。
その場合は、全部を任せず、
- 軽いものだけ持たせる
- 玄関から車までだけ持たせる
- 危ない道では親が持つ
- 園の入口だけ自分で持つ
など、場所や時間を区切ると安全に進めやすいです。
トイレや手洗いを自分でやりたい
トイレや手洗いも「自分でやりたい」が出やすい場面です。
トイレでは、ズボンの上げ下げ、補助便座に座ること、水を流すことなど、子どもがやりたがる工程が多くあります。
手洗いでは、水を出しすぎる、泡で遊ぶ、タオルで拭かないなど、親が止めたくなる行動もあります。
この場合は、
「水を出すのは一緒にやろう」
「泡をつけるところはお願い」
「最後に流すのは自分でやっていいよ」
のように、任せる部分と親が見る部分を分けると進めやすいです。
トイトレの始めどきや進め方はこちらの記事でもまとめています。
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イヤイヤ期の「自分でやりたい」への基本対応

「自分でやりたい」に毎回付き合うのは大変です。
だからこそ、家庭の中で対応の型を決めておくと、親も迷いにくくなります。
まず気持ちを受け止める
最初にやりたい気持ちを受け止めると、子どもが落ち着きやすくなります。
たとえば、
「自分でやりたかったね」
「これ、やってみたいんだね」
「最後までやりたいんだね」
のように、短く言葉にします。
ここで大事なのは、受け止めることと、全部叶えることは別だということです。
「やりたいんだね。でも今は出発の時間だから、ここだけ手伝うね」
のように、気持ちは認めながら、親が必要な行動を伝えて大丈夫です。
全部ではなく一部を任せる
イヤイヤ期の「自分でやりたい」は、全部任せると時間がかかりすぎることがあります。
おすすめは、一部だけ任せることです。
たとえば、
- 服を選ぶだけ
- 靴の面ファスナーを留めるだけ
- トイレの水を流すだけ
- 手洗い後にタオルで拭くだけ
- カバンを玄関まで持つだけ
このように、子どもができそうな部分を担当にすると、達成感を残しながら親の負担も減らせます。
親が決める部分は短く伝える
イヤイヤ期の子どもには、長い説明が伝わりにくいことがあります。
「早くしないと遅れるでしょ。昨日も時間がかかったし、今から靴を履かないと……」と説明しているうちに、子どもはさらに動けなくなることがあります。
伝えるときは、短く具体的にします。
「靴を履くよ」
「ここは手伝うね」
「終わったら出発するよ」
「水はここで止めるよ」
短い言葉の方が、子どもも行動に移りやすくなります。
朝の支度で時間がないときの工夫

朝は、イヤイヤ期の「自分でやりたい」が一番つらく感じやすい時間です。
登園、出勤、家事が重なるため、親にも余裕がありません。
先に選ばせる
時間がない朝ほど、選択肢を少なくして先に選ばせると進めやすくなります。
たとえば、
「赤い服と青い服、どっちにする?」
「靴下はこっちとこっち、どっち?」
「先にトイレと着替え、どっちにする?」
のように、親がOKな範囲で2択にします。
自由に選ばせすぎると時間がかかるため、最初から選択肢を絞ることが大切です。
時間に余白を作る
「自分でやりたい」に毎朝つき合うなら、すべてを予定通りに進めるのは難しいです。
余裕がない日は、最初から任せる部分を減らしておきましょう。
たとえば、
- 前日に服を選んでおく
- 朝は靴だけ自分でやる
- 着替えは親が手伝う
- カバンの準備は前夜に済ませる
など、朝にやることを減らすと、親のイライラを減らせます。
お支度ボードやタイマーを使って流れを見える化する
言葉だけで「早くして」と伝えると、親も子どもも疲れます。
お支度ボード、絵カード、タイマーなどで、次にやることを見える化すると、声かけの回数を減らしやすくなります。
たとえば、
- 着替え
- 朝ごはん
- 歯磨き
- トイレ
- 靴を履く
という流れを絵で見せると、子どもが次の行動をイメージしやすくなります。
毎日完璧に使う必要はありません。
朝の支度で親の声かけが多くなりすぎる家庭は、試す価値があります。
うまくできなくて怒るときの声かけ例

「自分でやりたい」と言ったのに、できなくて怒る。
この場面では、親の声かけで切り替えやすさが変わります。
「やりたいね」と気持ちを言葉にする
まずは、子どもの気持ちを代わりに言葉にします。
「自分でやりたかったね」
「最後までやりたかったね」
「うまくいかなくて悔しかったね」
気持ちを言葉にされると、子どもは「わかってもらえた」と感じやすくなります。
すぐに泣き止ませようとしなくて大丈夫です。
まずは、怒っている理由を短く言葉にしましょう。
「ここだけ手伝うね」と部分的に助ける
手伝い方は、全部代わるより「一部だけ」が向いています。
「ここだけ手伝うね」
「最後は自分でやっていいよ」
「ここまで一緒にやろう」
「手は添えるだけにするね」
このように伝えると、子どもの「自分でやりたい」を残しながらサポートできます。
特に、靴、服、手洗い、トイレは「最後だけ自分で」にすると納得しやすいことがあります。
「もう一回やる?」と選ばせる
失敗したあとに、すぐ親がやり直すと怒る子もいます。
その場合は、
「もう一回やる?」
「手伝う?」
「今日はここまでにする?」「と選ばせます。」
選択肢は多すぎない方がよいです。
2つ、多くても3つまでにすると、子どもが選びやすくなります。
やってはいけない対応

イヤイヤ期の「自分でやりたい」では、親も余裕がなくなります。
ただ、次の対応はこじれやすいので注意しましょう。
急に取り上げる
子どもが頑張っている途中で、急に親が取り上げると、強く泣いたり怒ったりすることがあります。
時間がないときでも、
「あと1回やったら手伝うね」
「ここまでやったら交代するね」
と予告してから交代すると、切り替えやすくなります。
「できないでしょ」と言う
「まだ無理」「できないでしょ」と言われると、子どもは反発しやすくなります。
言い換えるなら、
「ここは難しいね」
「ここだけ一緒にやろう」
「最後はお願いするね」
のように、できないことを責めず、手伝う部分を伝える形にします。
毎回親が折れる
「自分でやりたい」を尊重することは大切ですが、毎回すべてを子どもの希望通りにする必要はありません。
危ないこと、時間に大きく影響すること、家庭で続けられないことは、親が線を引いて大丈夫です。
たとえば、
「道路では手をつなぐ」
「水はここで止める」
「今日は時間がないからここは手伝う」
のように、短く伝えます。
子どもの気持ちを受け止めながら、家庭のルールも守ることが大切です。
親の負担を減らす便利グッズ

イヤイヤ期の対応は、声かけだけで乗り切ろうとすると親が疲れます。
便利グッズは、子どもを思い通りに動かすためではなく、親子の負担を減らすために使いましょう。
お支度ボード・絵カード
朝の支度や帰宅後の流れが見えにくい子には、お支度ボードや絵カードが役立ちます。
「次は何をする?」を絵で確認できるため、親が何度も同じことを言わなくて済みます。
特に、
- 朝の着替え
- 歯磨き
- トイレ
- 登園準備
- 帰宅後の手洗い
など、毎日くり返す流れと相性がよいです。
子ども用タイマー
遊びから支度へ切り替えるのが苦手な子には、タイマーが使いやすいです。
「あと5分」と言葉で言っても、子どもには時間の感覚がわかりにくいことがあります。
残り時間が見えるタイマーを使うと、終わりのタイミングを親子で共有しやすくなります。
ただし、タイマーを使えば必ず切り替えられるわけではありません。
最初は「鳴ったら一緒に片づけよう」くらいから始めましょう。
自分で履きやすい靴・着替えやすい服
自分でやりたい時期は、服や靴の選び方でも負担が変わります。
たとえば、
- 前後がわかりやすい服
- 伸びがよいズボン
- 面ファスナーの靴
- かかとにループがある靴
- ボタンが少ない服
などは、子どもが自分で挑戦しやすいです。
毎日の支度で親子の衝突が多い場合は、「自分でできる形」に環境を整えるのもひとつの方法です。
相談したほうがいいケース

イヤイヤ期の「自分でやりたい」は、多くの子に見られる姿です。
ただし、家庭だけで対応するのがつらいときは、相談して大丈夫です。
次のような場合は、保育園、自治体の子育て相談、かかりつけ医、発達相談などに相談しましょう。
- かんしゃくが長時間続く
- 毎日の支度が強いストレスになっている
- 自分や周りを傷つける行動がある
- 睡眠や食事にも大きく影響している
- 親が限界を感じている
- 園生活でも困りごとが続いている
相談することは、親の対応が悪いという意味ではありません。
家庭で抱え込みすぎず、子どもの発達や生活リズムに合う方法を一緒に考えるための選択肢です。
イヤイヤ期全体の特徴や対応はこちらの記事でもまとめています。
関連記事:
まとめ|「自分でやりたい」は全部叶えなくていい

イヤイヤ期の「自分でやりたい」は、自分で決めたい気持ちや、できることを試したい気持ちが育っているサインです。
ただし、全部を子どもの希望通りにする必要はありません。
大切なのは、気持ちを受け止めながら、親が守るラインを決めることです。
服を選ぶだけ、靴の面ファスナーだけ、トイレの水を流すだけなど、一部だけ任せる形でも十分です。
朝の支度や外出前に毎回ぶつかるときは、お支度ボードやタイマーなどで流れを見える化するのも役立ちます。
完璧に対応しようとせず、親子で続けやすい形を探していきましょう。







